知床半島事故

本音と建て前という言葉を使うのにふさわしい事例ではないかもしれない
多くの人命を失った事故の原因や当時の運行状況が分かるにつれて、犠牲になられた方は無念だと思う。子供や婚約中と思われる方もいて将来をなくしてしまった。海難事故や自動車やバスの事故が身近によく起るが、原因を究明すると、本来から言えば起こりえない事故と判定されることが多い。やはり人命を預かる仕事は慎重にも慎重を期し、安全は一つでなく二重にも三重に備えられ、それが担保できないのであれば事業はやめるのが良いと思う。国の調査が入っているが、国も安全第一人命第一を守るためには反省する点があると思う。よく性善説に立つというが、完ぺきな法律や運航基準を作ってもやるのは組織で人間だ。
 ましてや今回は同業の団体や仲間と協調性が欠けるようだし、普通なら運航しない気象の予想の中の出航、外部との連絡網の無線が壊れ、本社とも連絡が取れず、引き返す指示を仰ぐこともできない、高い波に翻弄されて進む状況での運行。乗客乗員の恐怖は想像するに堪えない。まして事故が起きてから免許取り消しや改善命令をだしても命は帰らない。
また3日前の国の検査点検もしっかりしていれば防げたかもしれないと思うのはいけないのか。建て前は立派だが、その建前は本音で修正され、まったく建て前が変質してしまう姿を見たようである。残念だが、この尊い犠牲の上に立って、次の事故を防ぐ教訓となることを。