不思議な国

アメリカ大統領選挙が行われ、大勢は判明した。共和党から民主党に政権移行が行われる見込みであるがまだ混乱をしているようだ。大統領の選挙方法は複雑だ。得票数が多くても大統領になれない。州ごとに得票数が多いものがその州の選挙人を獲得する。その選挙人が大統領の選挙をする。前回の大統領選挙では民主党の候補者が全体では得票数は多かったが、得票数の少ない共和党の候補者に敗れた。選挙人の多い地域で少しでも勝利すれば、その州の選挙人を獲得する。選挙人の少ない州で大差で敗れても
あまり影響がないことになる。なぜこうした制度を取っているかについて、新聞で大学の先生が解説していた。多数者が少数者の意見を取り入れれ尊重する制度で、これがアメリカの自由と民主主義を反映するものである。多数を取ったから、何でも横暴になることを防ぐものである。
負けても、政権に参加する可能性がある。多くの人が政治に興味を持ち、お祭りのような熱狂的な選挙活動をする。ちょっと日本とは違うが、勝ったか、負けたか最後まで分からない。勝者が敗者になる。敗者が勝者になる。多数派が少数派に配慮する。チェックアンドバランスの最たるものか。それが少しも止まることのない生きた政治の世界を回し続ける。