あの時覚えなかったら

小学校の3年か4年のころだと思うが算数の計算で( )があったり、掛け算や割り算、足し算、引き算が混じって入っていて皆つまずくと思うが、自分も急に難しくなって、何からやったらいいかつまずいた。その時母がどこかの参考書にあったのかこれを覚えればいいと教えてくれたのが、「括弧 掛け、割お先にどうぞ」という符牒めいたものだった。色々あってもまず括弧を計算し、次に掛け算割り算をして、最後に足したり引いたりすれば正解が出るというものである。中学高校大学、仕事、資格試験でも結構、「括弧 掛け、割」の問題は初期的な知識を試すもので出題されていた。そのたびにそれを思い出して解決していた。仕事柄資産設計をする中で、計算や数字を使う仕事は得意分野としている。今でも、「括弧 掛け、割お先にどうぞ」と言っていた情景が目に浮かぶ。誰にでも後になってあの時知っていて、覚えてよかった、あの時覚えなかったら今がないというような経験があるのではないか。