地租改正

江戸時代の各村の文書を読む会に参加して2年、不勉強で進歩しないが先達の指導で何とか月2回に出ている。感心するのはその村での戸籍というか人別帳が記載されている、年貢のために田畑の面積が図られ、上田とかに分けられ石高が把握されている。これが基礎にあったから明治維新の地租改正という大改革もできたのだと思う。法務局には明治10年頃の地券が展示されている。年貢の納め方や災害の時の減免などの重要な資料になっただろうし、土地の登記や公図作成にはなくてはならないものだった。新聞報道をみると未登記の土地が増え、その面積は九州地方の面積に匹敵するという。土地の有効活用ができなかったり、取得することによる相続や固定資産税などを敬遠して管理されなくなっている。道路を新設改良するのに相続されないまま長い期間が経過して何百人の相続人がいて買収に困っている話など笑い話ではなくなっている。戦前の体制の象徴としての寄生地主制を廃止し自作農の創設をした新時代の方向を示した農地改革は根本から窮地に立っているのではないか。