ゆっくりと

地積調査が数日前から始まっている。古い公図を元に関係者が立ち会い境界を決めていく。非常に細かい作業である。私たちの仕事にも関係する重要な仕事。小学校や中学校のころ遊んだ人が代替わりをして中心になってやっている。懐かしいどこか似ている顔に合う。それはその人の父親、あるいは祖父の生き写しの姿なのだ。当時の思い出がよみがえる。昔はここに家があり池があった。ドラム缶の風呂。この土地を耕し子孫に残してきた先祖に思いをはせる。急な坂が改良工事でなだらかになり、当時は自転車で登るのも難儀をしたのが車で簡単に登れる坂に変化していた。崖、タモリ風だと井野川の河岸段丘になるのだろうか。水車小屋があった。自分の家の土地だといわれても竹が密集していて境界はここだといわれた記憶もなく、当時の記憶を知っている人の話を聞きながら立ち会って決めていく。2、3年後にはその成果が残される。幸い前が田で日当たりもいいので少し竹を切って、果樹など植えたいと夢が広がる。