日記

私もいつに間にか母の年に近づいている。急速に江戸時代や明治大正昭和戦前の古い本や文書がわかる世代がいなくなっている。古い土蔵も壁が崩れ落ちて、家族もいろいろ心配して片付けてくれている。私も興味があっても、ほかの忙しさのせいにして、正面から先祖の残したもの整理したりすることを怠ってきた。講演会で日記なども当時の記録として、通説を覆すこともありという話を聞いて、日記などを読み始めた。字が崩してあったりして解読不能や虫食いでなかったりしているが、当時の祖父や親族がどういう日常生活や仕事や読書などの自己啓発をしていたのかが少しわかってきた。正月の飾りや年始回りや各地域にあったお祭りや神社仏閣のお参り、彼岸の墓参りに出かけたり、交通網があまり便利でなかったときどうしていたのだろう、夜道が大変だということも書かれていた。各地域で行われていた草競馬、芝居、お寺の説教の会合などの催しに出かけたりしている。人とのかなり濃密な交流もあった。まだ機械化されていない状況で、きつい農業や養蚕などの仕事の合間に夜、日本外史などを読んだり、俳句や漢詩を作ったり日常を楽しんでいた。
整理して先祖の苦労を知って、親族に知ってもらいたいと思う。できれば公に役立つのであれば活用してもらいたいと思っている