この頃

60年近く前のことを思い出す。近所は農村地帯コメと養蚕が盛んだった。
養蚕は年何回と行われ親戚の家に良く母が手伝いに行っていた。近所に冠婚葬祭があると皆で手伝いに行った。朝と夜はそこでご飯を頂いて昼は弁当にご飯やきんぴらとか煮豆とかいっぱい詰めてもらった。夜は近所の子供たちと遅くなるまで外で遊んだ。テレビなどない時代だった。皆で色々な遊びがするのが楽しくかった。いつも外に人がいた時代だった。しかし今は人はいない。何とも言えない力、エネルギーがあった。人をだます人もいない。今は外の式場でやり人の家に入ることもない。当時多くの人の家には若い兵隊さんの写真が壁に架かっていた。それが戦死した人の遺影とはだいぶあとから知った。あの写真は今もあるのだろうか。